私はこれまで、大企業からベンチャー企業まで数多くの案件に携わってきました。その中で確信していることがあります。
それは、
「案件は会社が取るのではない。人が取るのだ」
ということです。
営業担当者の名刺に書かれている会社名は入口に過ぎません。経営者や役員が最終的に判断するのは、「どの会社と付き合うか」ではなく、**「誰と仕事をするか」**です。
私は過去に、自ら築いた人脈を通じて年間数億円規模のビジネスを創出した経験があります。しかし、その時に改めて学んだことがあります。
人脈とは名刺交換の数ではありません。長年かけて積み上げた信頼の総量です。そして信頼は、顧客の課題に向き合い続けることでしか生まれません。
最近はAIエージェントや生成AIが業務に導入されています。しかし、多くの企業が勘違いをしています。お客様が求めているのはAIの導入ではなく、自社の課題解決です。どれだけ優れたAIを持っていても、顧客の経営課題を深く理解できなければ選ばれません。
そんな事は、誰もがわかっているはずです。
「顧客の経営課題をどう考えて提案すればいいだろう?」
「AIに聞いてみよう。きっと答えを出してくるはずだ」
そうしてAIは、それらしい綺麗な答えを出してきます。
「これで説明しよう」と、その回答を握りしめて顧客のもとへ訪問する。
しかし、いざ提案しても商談は突破できません。
なぜか。
それは、顧客に全く「刺さっていない」からです。
AIは「自分(営業担当者)」の問いに対してそれらしい回答を出しますが、目の前の「顧客」に刺さる回答は出せません。理由は明確です。AIには顧客との信頼関係がないため、相手の本質的な痛みに届く言葉を紡げないのです。
AIに信頼そのものを代替することはできません。
だから私は今でも、新しいお客様と直接向き合い、自ら市場を開拓することに価値を感じています。
AI時代だからこそ、最後に問われるのは「人間力」です。顧客との確固たる信頼関係があって初めて、AIを道具として使いこなし、本当の意味で相手に「刺さる回答」を導き出すことができるのです。


コメント